1921(大正10)年、札幌生まれ、幼少より画才を現す。
兵役ののち、北海道新聞社に入社、図案課に籍を置く。この時期に多忙なカット、挿画描きの明け暮れは、おおば漫画の原点となる。
1958年上京、その速描きとアイデアの卓抜さは、ある人をして輪転機と言わしめる。しかし画風はどこまでもほのぼのとして温かく、あたかも水鳥の水面をゆうゆうとすべるさまにも似ている。そして水面下では、あわただしく細心に水をかく努力の人であった。
1982年、家族をともなってオランダに移住。風車、運河、雲、飛行機、街なみ、そして人間を、おおらかに愛しんだ画家の眼は、どこまでも広くやさしい。 1988年8月没 享年66歳。
幼少時は内気でおとなしい性格でしたが、絵の才能はずば抜けていました。
オリジナル漫画を描いてはクラスの人気を集めていたのです。これが後の原点になったのは言うまでもありません。
戦争を経て、北海道新聞社図案課(現デザイン課)に入社。そこでカット絵や挿絵描きに明け暮れました。スピードと新鮮さを求められる新聞社。おおばのアイデアの卓抜さと早描きは周囲から“輪転機”と称されるほどでした。
忙しい日々の中、漫画家としても活動し始めます。1951(昭和26)年と1956(昭和31)年には登竜門である二科展漫画部に入選。プロの道が拓けました。
1958(昭和33)年北海道新聞社を退職してフリーに転身。一念発起して上京。 当時の週刊誌・漫画ブームも重なり、やなせたかしや手塚治虫、石ノ森章太郎、藤子不二雄など、名だたる漫画家たちと並び、瞬く間に時代の寵児となりました。特に、独特のタッチとユーモアあふれる作風が大衆に好まれました。プロとして成功後は精力的に作品を発表します。
一九二一年 大正10年 |
〇歳 | 一二月17日、札幌の料理屋の四人兄弟の二男に生まれる。 |
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一九二八年 昭和三年 |
六歳 | 札幌市西創成小学校に入学。 |
一九三三年 昭和八年 |
一二歳 | 札幌市第二高等小学校に入学。牛乳配達をしながら通学する。 |
一九三六年 昭和一一年 |
一四歳 | 高等学校を卒業。画工、印刷、看板描きの仕事をする。 |
一九四二年 昭和一七年 |
二〇歳 | 一二月、徴兵で陸軍航空隊に入隊。 |
一九四五年 昭和二〇年 |
二三歳 | 戦争が終わり、復員。北海道新聞社車両部に入社。 |
一九四九年 昭和二四年 |
二七歳 | 四年待って念願の図案課に再入社。 新聞記事に沿えるカットや一コマ漫画を描く。 |
一九五五年 昭和三〇年 |
三三歳 | 和田百合子と結婚。 |
一九五八年 昭和三三年 |
三六歳 | 北海道新聞社退社。フリーとなって創作活動を始める。 |
一九五九年 昭和三四年 |
三七歳 | 長男伸之が誕生。 |
一九六〇年 昭和三五年 |
三八歳 | 「漫画集団賞」受賞。 |
一九六四年 昭和三九年 |
四二歳 | 民間人として初めて航空自衛隊のジェット機「F104スターファイター」に搭乗する。 |
一九七〇年 昭和四五年 |
四八歳 | 「飛行機千一夜」出版。 |
一九七四年 昭和四九年 |
五二歳 | 「地球はまあるい」出版。 |
一九七六年 昭和五一年 |
五四歳 | 「割りばしの旅」出版。 |
一九八〇年 昭和五五年 |
五八歳 | 「私の航空博物館 コントレールを追って」出版。 童話「サケの旅」出版。 |
一九八一年 昭和五六年 |
五九歳 | 童話「さるとおじそうさま」の絵を担当。 銀座和光六階ホールで「航空博物館」と題した初個展を開催する。 |
一九八二年 昭和五七年 |
六〇歳 | 六月 還暦を機に一家でオランダのアムステルダムに移住。 「おおば比呂司の味覚停車」出版。「翼の画集」出版。 |
一九八三年 昭和五八年 |
六一歳 | 九月 オランダ・アムステルダムのヒルトンホテルギャラリーで個展を開催。 |
一九八四年 昭和五九年 |
六二歳 | 「ヴァン・ゴッホの蜃気楼 絵筆の旅」出版。 同名の展覧会を銀座和光で開催。 |
一九八五年 昭和六〇年 |
六三歳 | 「アルルのゴッホ 絵筆の旅」出版。 |
一九八六年 昭和六一年 |
六四歳 | 三月、帰国 「風に吹かれてヨーロッパ」出版。 同名の展覧会を銀座和光で開催。 |
一九八七年 昭和六二年 |
六五歳 | 「風に吹かれてヨーロッパ」展を札幌の丸井今井デパートで初開催。 |
一九八八年 昭和六三年 |
六六歳 | 「遠い空から 画集」出版。「味のある旅ヨーロッパ」出版。 「遠い空から メルヘンの旅」と題し、親子二人展を銀座和光で開催。 八月一八日 脳梗塞で逝去。享年六十六歳。勲四等瑞宝章が授与される。 |
一九八九年 平成元年 |
「おおば比呂司の世界展」と題した遺作展が、銀座和光と札幌丸井今井デパートで開催。 | |
一九九三年 平成五年 |
「おおば比呂司さとがえり展」が、丸井今井デパートを皮切りに、北海道各地で開催。 | |
一九九四年 平成六年 |
おおば比呂司の作品が札幌市に寄贈される前に 東京・銀座の和光で最後の展覧会「おおば比呂司の世界展」を開催し、同時に当時札幌市長であった桂 信雄市長が寄贈式に参加。 |
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一九九五年 平成七年 |
札幌市資料館内に「おおば比呂司記念室」がオープン。 | |
二〇一四年 平成二六年 |
八月「おおば比呂司没後二十五年記念作品展」が古巣の北海道新聞社・道新ギャラリーで一ヵ月にわたって開催。 | |
二〇一八年 平成三〇年 |
4月1日~5月8日まで札幌市中央図書館リニューアル記念として 没後30年記念企画展「おおば比呂司 癒やしの世界」展を開催。 8月 北海道150年事業・没後30年記念「おおば比呂司 癒やしの世界」展を 札幌市資料館・北海道庁赤れんが庁舎・札幌三越・ホテルオークラ札幌の4会場にて開催。 |